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モンテーニュのエセーの仕組み

## モンテーニュのエセーの仕組み

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エセーの語源とモンテーニュの試み

モンテーニュのエセーは、フランス語で「試み」を意味する「Essais」と題されています。これは、彼が古代ギリシャの哲学者たちのように、絶対的な真理を語るのではなく、あくまでも個人的な経験や思索に基づいた「試み」として自身の考えを提示しようとしたことに由来します。

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自由で多様な主題

モンテーニュのエセーは、特定のテーマに限定されず、哲学、歴史、文学、政治、宗教など、多岐にわたる分野を扱っています。日常生活の些細な出来事から、人生や死といった深遠なテーマまで、彼の関心の赴くままに筆は進み、自由奔放な思考が展開されます。

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「私」を語る

モンテーニュのエセーの特徴の一つに、徹底した「私」の視点があります。彼は自身の内面をありのままに吐露し、思考の過程や葛藤を率直に描き出します。
そのため、読者は彼の思考の迷宮に迷い込むように、エッセイの世界に引き込まれていきます。

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豊富な引用と先人との対話

モンテーニュは、古典文学に造詣が深く、エッセイの中で多くの引用を駆使しています。
古代ギリシャ・ローマの哲学者から同時代の作家まで、幅広い引用は単なる知識のひけらかしではなく、先人たちの思考と対話し、自身の考えを深めるためのツールとして機能しています。

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断片的な構成と digression

モンテーニュのエセーは、明確な構成や論理展開を意図的に避けています。
あるテーマについて考察している途中で、全く別の話題に飛躍するdigression(脱線)も頻繁に見られます。
一見すると散漫な印象を与えますが、これは人間の思考の複雑さを表現する一つの手法であり、読者は彼の思考の奔放さに触れることができます。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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