## モンテスキューのローマ人盛衰原因論の秘密
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共和政ローマの隆盛を支えた「徳」
モンテスキューは、共和政ローマ初期の成功の原因を「徳」に求めました。ここでいう「徳」とは、個人の利益よりも公共の利益を優先し、祖国への愛と法の遵守を重んじる市民精神を指します。
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領土拡大がもたらした「徳」の衰退
しかし、ローマが領土を拡大し、富と権力が集中するにつれて、市民の「徳」は徐々に衰退していきました。贅沢と腐敗が広まり、私欲のために権力を利用する者が現れ始めます。
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共和政の崩壊と専制君主制への移行
「徳」の衰退は、共和政の根幹を揺るがし、内乱や政治腐敗を招きました。そして、ついに共和政は崩壊し、カエサルのような専制君主による支配が始まります。
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専制君主制における「恐怖政治」
モンテスキューは、専制君主制を支える原理を「恐怖」だとしました。専制君主は、恐怖によって人々を服従させ、権力を維持しようとします。
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ローマ帝国の衰退と滅亡
「恐怖政治」は、一時的には秩序を保つかもしれませんが、長期的に見れば社会を疲弊させます。ローマ帝国も、内外の敵の脅威、腐敗した政治、そして市民の無気力により、徐々に衰退し、最終的に滅亡へと至りました。