モンゴメリの赤毛のアンの構成
構成の特徴
「赤毛のアン」は、全38章から成る長編小説です。章立てはなく、全体を通してアン・シャーリーという少女の成長を描いた作品です。構成としては、大きく分けて以下の3部に分けられます。
第1部:アンの登場とグリーン・ゲイブルズでの生活 (1章~10章)
この部分は、アンがグリーン・ゲイブルズにやってきてから、マシューとマリラの家族の一員として受け入れられるまでを描いています。最初は、赤毛で空想好きなアンを孤児院に送り返そうとしていたマリラですが、アンの持ち前の明るさや想像力、そして心の温かさに触れていくうちに、次第に愛情を抱くようになります。
第2部:アンの学校生活と成長 (11章~35章)
この部分は、アンが学校に通い始め、ダイアナやギルバートなど多くの友人と出会う様子を描いています。学校生活を通して、アンは自分の短所を克服しようと努力したり、友情の大切さを学んだりしていきます。また、マリラの親友レイチェル・リンド夫人をはじめ、アボンリーの人々との交流を通して、アンは人間的に大きく成長していきます。
第3部:アンの未来と決意 (36章~38章)
この部分は、アンがクイーン学院の奨学金を辞退し、グリーン・ゲイブルズに残ることを決意するまでを描いています。マシューの死や、マリラの目の病気など、アンは様々な困難に直面しますが、周囲の人々の支えもあり、乗り越えていきます。最終的には、教師になるという夢を叶えるために、アボンリーで暮らすことを決意します。