モンゴメリの赤毛のアンに関連する歴史上の事件
第一次世界大戦の影響
『赤毛のアン』シリーズの later の作品、特に『アンの夢の家』や『炉辺荘のアン』では、第一次世界大戦が物語に暗い影を落としています。若者が戦場へ赴き、愛する者との別れや死の悲しみが描かれる一方、女性たちは銃後の守りを担い、赤十字活動などを通して戦争に貢献しようとします。これは、モンゴメリ自身が戦争中に赤十字奉仕隊で活動した経験や、彼女の親しい人々が戦地に赴いた経験が色濃く反映されていると言えるでしょう。特に、『炉辺荘のアン』では、アンの息子ウォルターが戦死するという悲劇が描かれ、戦争の残酷さが浮き彫りにされています。
女性の社会進出
『赤毛のアン』シリーズは、19世紀後半から20世紀初頭のカナダを舞台としており、当時の女性の社会進出が徐々に進展していた時代背景が反映されています。アン自身、教師を目指して大学に進学し、その後作家として自立しようとします。これは、当時の社会ではまだ一般的ではなかった女性の自立と活躍を描いており、モンゴメリ自身の進歩的な思想が反映されていると言えるでしょう。また、アンの親友ダイアナは、結婚と家庭という伝統的な女性の生き方を選びますが、彼女もまた、自分らしく生きることの大切さを訴えています。このように、『赤毛のアン』シリーズは、当時の社会における女性の様々な生き方を描き、女性の社会進出というテーマを深く掘り下げています。
カナダの Confederation (カナダ連邦成立)
『赤毛のアン』の物語は、カナダが連邦として成立した1867年から約30年後の1890年代後半から始まります。当時のカナダは、イギリスからの独立を果たしながらも、まだその影響下にあった時代でした。しかし、『赤毛のアン』シリーズでは、カナダ独自の文化やアイデンティティを確立しようとする動きが描かれています。例えば、アンが通うクイーン学院での対抗試合や、アヴォンリーの人々が協力して村おこしに取り組む様子などから、カナダ人としての連帯感や愛国心が芽生えている様子が伺えます。