モンゴメリのアンの愛情の価値
アンの示す愛情の幅広さ
モンゴメリの描くアン・シャーリーは、孤児院という愛情に乏しい環境で育ちながらも、その豊かな想像力と持ち前の明るさで、周囲の人々に惜しみなく愛情を注ぎます。
まず、アンが最も愛情を注ぐ相手として、彼女を引き取ったマシューとマリラのカスバート兄妹が挙げられます。
特に、シャイで口数の少ないマシューに対しては、惜しみない愛情表現と持ち前の明るさで、彼の心を徐々に解きほぐしていきます。
マリラに対しては、当初は厳格な態度に反発することもありましたが、次第に心を開き、深い愛情と感謝の念を抱くようになります。
アンの愛情は、血縁を超えて、友人たちにも向けられます。
特に、生涯の親友となるダイアナ・バリーとは、強い絆で結ばれ、喜びも悲しみも分かち合う存在となります。
さらにアンは、動物や自然に対しても深い愛情を抱いています。
愛馬ビューティーや、名付け親となった子猫の雪の女王など、動物たちとの触れ合いを通して、その命の尊さや、愛情の大切さを学んでいきます。
また、プリンス・エドワード島の大自然に囲まれ、その美しさに感動し、深い愛情を抱くようになる様子も描かれています。
このように、アンの愛情は、カスバート兄妹、友人、動物、自然と、多岐にわたっており、その幅広さが、物語に温かさと深みを与えていると言えるでしょう。