メンガーの国民経済学原理を読んだ後に読むべき本
オイゲン・フォン・ベーム=バヴェルク著『資本および利子論』
カール・メンガーの『国民経済学原理』は、オーストリア学派経済学の基礎を築いた記念碑的な著作です。経済現象に対する主観的価値の役割、限界効用理論、財の価値はその効用から生じるという洞察など、経済学に新たな視点を提供しました。
メンガーの業績をより深く理解するためには、彼の弟子の一人であり、オーストリア学派の主要人物であるオイゲン・フォン・ベーム=バヴェルクの著作『資本および利子論』を読むことをお勧めします。
ベーム=バヴェルクはこの本の中で、資本と利子の理論について包括的な分析を行っています。彼は、資本は生産プロセスにおける時間を延長することによって生み出され、利子は人々が現在の財を将来の財よりも高く評価することから生じると主張しました。これは、時間選好と呼ばれる概念です。
ベーム=バヴェルクの分析は、メンガーの主観的価値論と密接に関係しています。彼は、資本の価値は将来の消費財に対する人々の主観的な評価によって決まると主張しました。さらに、ベーム=バヴェルクは、利子は資本家の自制心に対する報酬であるという考えを批判し、利子は市場プロセスにおける需要と供給の相互作用によって決定されると主張しました。
『資本および利子論』は、経済学、特に資本理論と利子理論の分野における古典的な著作です。メンガーの考えをさらに発展させ、オーストリア学派の主要な貢献の一つとなっています。この本を読むことで、読者はメンガーの業績に対する理解を深め、オーストリア学派の経済学に対する貢献についての洞察を得ることができます。