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メンガーの国民経済学原理を読む

メンガーの国民経済学原理を読む

経済学研究におけるメンガーの国民経済学原理の位置付け

カール・メンガーの『国民経済学原理』(1871年)は、近代経済学の基礎を築いた重要な著作として位置づけられています。ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンスやレオン・ワルラスの著作と並んで、限界革命の端緒を開いたとされ、その後の経済学、特にミクロ経済学の発展に大きな影響を与えました。

本書の中心テーマと構成

メンガーは本書において、経済学の中心を「財」と「経済活動を行う主体」との関係に置きました。人間は自身の欲求を満たすために財を必要とし、その希少性と限界効用に基づいて経済活動を行うという視点を提示しています。

本書は大きく分けて以下の6編で構成されています。

1. 財について
2. 経済、財、経済財
3. 経済財の価値
4. 財の交換
5. 価格の理論
6. 貨幣の理論

本書における主要な概念と理論

メンガーは本書において、いくつかの重要な概念と理論を提唱しています。

* **財:** 人間の欲求を満たすことができるもの。
* **経済財:** 希少性があり、経済活動の対象となる財。
* **限界効用:** 財を1単位追加的に消費することによって得られる効用の増加分。
* **価値の主観説:** 財の価値は、客観的な要素ではなく、人間の主観的な評価によって決まるとする考え方。
* **交換の理論:** 人々は、自身が持つ財よりも高い価値を持つ財と交換するために、自発的に取引を行う。
* **価格形成の理論:** 財の価格は、需要と供給の相互作用によって決定される。

現代経済学への影響

メンガーの『国民経済学原理』は、現代経済学の基礎を築いただけでなく、その後の経済学の発展にも大きな影響を与え続けています。特に、ミクロ経済学における消費者理論、価格理論、厚生経済学などの分野において、その影響は顕著に見られます。

本書を読む上での注意点

本書は19世紀後半に書かれたものであり、現代の経済学とは異なる用語や概念も含まれています。また、抽象的な議論が多く、理解が容易ではない部分も含まれています。そのため、本書を読む際には、当時の歴史的背景や経済学の知識をある程度習得しておくことが望ましいでしょう。

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