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メンガーの国民経済学原理の技法

メンガーの国民経済学原理の技法

メンガーの研究方法

カール・メンガーは、1871年に出版された著書『国民経済学原理』の中で、経済学の研究に新しい方法を導入しました。この方法の特徴は以下の点が挙げられます。

1. 主観的価値論

メンガーは、財の価値は客観的な特性ではなく、個人の主観的な評価によって決まると主張しました。これは、従来の労働価値説とは大きく異なる点です。彼は、個人が財をどの程度必要としているか、そしてその財を手にすることでどれだけの満足を得られると感じているかによって、財の価値が決まると考えました。

2. 限界効用理論

メンガーは、財の価値は、その財の追加一単位から得られる満足、すなわち限界効用によって決まるとしました。これは、財の総効用ではなく、限界効用が経済的意思決定において重要であることを示しています。彼は、個人が財を消費するにつれて、追加一単位あたりの満足度は逓減していくと説明しました。

3. 演繹的方法

メンガーは、経済現象を説明するために、演繹的方法を採用しました。彼は、いくつかの基本的な前提から出発し、論理的な推論によって経済法則を導き出しました。彼の分析は、現実の経済を単純化したモデルに基づいており、個人の合理的行動を前提としています。

4. 方法論的個人主義

メンガーは、経済現象は、個人の行動や相互作用の集積として理解されるべきだと主張しました。これは、社会や集団を、個人の集合体以上のものとして捉える全体主義的な見方とは対照的です。彼は、個人の行動を分析することによってのみ、経済全体の動きを理解できると考えました。

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