ミルトンの復楽園を面白く読む方法
１．予備知識を入れよう！
「失楽園」は、アダムとイブが楽園を追放されるまでを描いた壮大な叙事詩です。聖書の内容を知っていることはもちろんですが、当時の歴史背景やミルトンの思想を知ることで、より深く作品を理解し、楽しむことができます。
* **聖書の理解を深める**: 「創世記」はもちろん、「ルカによる福音書」や「ヨハネの黙示録」なども参考にすると、作品への理解が深まります。旧約聖書と新約聖書のつながりにも注目してみましょう。
* **ミルトンの時代背景を知る**: ミルトンは、イングランド内戦やピューリタン革命など、激動の時代を生きた詩人です。彼の生きた時代背景や思想を知ることは、「失楽園」を理解する上で非常に重要です。
* **叙事詩の形式**: 「失楽園」は、ホメロスやウェルギリウスの作品を意識した、古典的な叙事詩の形式で書かれています。叙事詩の特徴や形式を理解しておくと、より作品を味わい深く読むことができます。
２．登場人物に注目しよう！
「失楽園」には、神、サタン、アダム、イブなど、個性的な登場人物が多数登場します。それぞれの登場人物の心情や行動を深く読み解くことで、作品の魅力はさらに広がります。
* **サタンの多面性**: サタンは、単なる悪の象徴ではなく、複雑な感情や思想を持った存在として描かれています。彼の言葉や行動の裏に隠された真意を読み解いてみましょう。
* **アダムとイブの葛藤**: 楽園を追放されるアダムとイブは、罪悪感、後悔、そして互いへの不信感など、様々な感情に揺れ動きます。二人の心理描写に注目することで、人間の弱さや愛の尊さを改めて感じることができるでしょう。
* **神の視点**: 「失楽園」は、神の視点から物語が語られる場面も存在します。神の視点を通して、登場人物たちの行動や運命を客観的に見つめ直してみましょう。
３．美しい言葉に酔いしれよう！
「失楽園」は、英語文学史上に残る名作の一つとされ、その美しい言葉遣いは高く評価されています。比喩や暗喩などの文学的技巧が使われている箇所を意識して読むことで、作品をより深く味わうことができます。
* **比喩表現**: ミルトンは、自然現象や神話などを用いた比喩表現を巧みに使い、壮大な世界観を描き出しています。美しい風景描写や登場人物の心情表現に注目してみましょう。
* **韻律**: 「失楽園」は、空白詩（blank verse）と呼ばれる、韻律を持たない五歩格で書かれています。空白詩のリズムを感じながら、声に出して読んでみるのも良いでしょう。
* **原文に挑戦**: 英語に自信のある方は、ぜひ原文にも挑戦してみましょう。翻訳では味わえない、ミルトンの言葉の力強さや美しさを実感できます。
４．自分なりの解釈を見つけよう！
「失楽園」は、様々な解釈が可能な作品です。先入観にとらわれず、自分自身で作品と向き合い、自由に解釈してみましょう。
* **テーマについて考える**: 「失楽園」は、善悪、自由意志、運命、愛など、普遍的なテーマを扱っています。作品を読み進める中で、これらのテーマについて自分なりに考えを深めてみましょう。
* **他の作品と比較する**: 「失楽園」は、聖書や他の文学作品から大きな影響を受けています。他の作品と比較することで、「失楽園」の独自性や普遍性をより深く理解することができます。
* **議論する**: 作品を読んだ後、友人や家族と感想を共有したり、議論したりするのも良いでしょう。他の人の意見を聞くことで、新たな発見があるかもしれません。
「失楽園」は、決して読みやすい作品ではありません。しかし、根気強く読み進めていくことで、必ずや深い感動と文学的興奮を味わえるはずです。