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ミュルダールのアジアのドラマに匹敵する本

## ミュルダールのアジアのドラマに匹敵する本

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「アジアのドラマ」の内容と特徴

グンナー・ミュルダールの『アジアのドラマ – 南アジア経済の研究』は、1968年に出版され、発展途上国の経済開発を分析した金字塔的な著作です。

本著は、インド、パキスタン、スリランカなど南アジア諸国を対象に、膨大な統計データと現地調査に基づき、貧困、人口増加、農業停滞、社会構造などの問題を包括的に分析し、西欧の近代化理論を批判的に検討した点で高く評価されています。

特に、ミュルダールが提唱した「軟状態」や「循環的累積的因果関係」といった概念は、開発経済学に大きな影響を与え、その後の開発援助政策にも反映されました。

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「アジアのドラマ」に匹敵する名著

「アジアのドラマ」に匹敵する名著として、以下のような書籍が挙げられます。

* **ラウル・プレビッシュ『経済発展とラテンアメリカ』(1949年)**

ラテンアメリカ経済委員会(ECLA)の事務局長を務めたプレビッシュは、本書でセンター・ペリフェリー論を展開し、先進国と発展途上国の間の不平等な国際分業構造を批判しました。

この理論は、開発経済学に大きな影響を与え、途上国における輸入代替工業化政策の理論的根拠となりました。

* **アルバート・ハーシュマン『経済発展の戦略』(1958年)**

ハーシュマンは、本書で「不均衡成長論」を提唱し、限られた資源を戦略的に特定の産業に集中投資することで、経済全体を牽引していくという発展戦略を提示しました。

この考え方は、当時の主流であった「均衡成長論」とは対照的なものであり、開発経済学に大きな論争を巻き起こしました。

* **セルソ・フルタード『開発の経済学』(1961年)**

ブラジルの経済学者であるフルタードは、「依存理論」の提唱者として知られています。

本書で彼は、発展途上国の経済発展が先進国の経済構造に「依存」しており、真の経済的自立を実現するためには、この構造からの脱却が必要であると主張しました。

これらの書籍は、「アジアのドラマ」と同様に、膨大なデータと緻密な分析に基づき、発展途上国の経済開発における課題と展望を考察した点で共通しています。

いずれも開発経済学の古典として、現代においても色褪せない価値を持つ名著と言えるでしょう。

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