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ミヘルスの現代民主主義における政党の社会学の仕組み

ミヘルスの現代民主主義における政党の社会学の仕組み

ミヒェルスの鉄則

 ロベルト・ミヒェルスは、20世紀初頭のドイツの社会学者であり、主著『政党論 ― 社会寡頭制の政治学的研究』の中で、あらゆる組織、特に政党は、少数のエリートによる支配という「寡頭制」へと必然的に陥ると主張しました。この主張は、後に「ミヒェルスの鉄則」として知られるようになります。

組織と寡頭制化のメカニズム

 ミヒェルスは、組織が寡頭制化するメカニズムとして、以下の3点を挙げました。

1. **組織の複雑化と専門化**: 組織が巨大化し、その活動が複雑化するにつれて、意思決定や業務遂行のために専門的な知識やスキルが必要とされるようになります。結果として、専門知識や経験を持つ少数のエリートが組織内で重要な地位を占めるようになり、権力が集中していくことになります。
2. **大衆の無関心と政治的無能力**: ミヒェルスは、一般大衆は政治に対して無関心であり、政治的な問題を理解し、主体的に判断する能力に欠けていると主張しました。このため、大衆は組織の運営に積極的に関与せず、エリートに意思決定を委ねてしまう傾向があります。
3. **組織の自己保存**: 組織は、その存在自体が目的化し、自己保存のために活動するようになります。エリート層は、組織の資源や権力を独占することで、自らの地位を維持しようとします。

現代民主主義における政党への適用

 ミヒェルスは、民主主義社会においても、政党は寡頭制化の傾向から逃れられないと論じました。政党は、選挙で勝利し、政策を実現するために、大規模で複雑な組織を必要とします。その結果、政党内には、専門家や官僚からなるエリート層が形成され、権力が集中していくことになります。また、一般党員や支持者は、政治に対して無関心であったり、政治的活動に積極的に参加する時間や資源が不足していたりするため、エリート層の影響力に対抗することができません。

現代社会における意義

 ミヒェルスの鉄則は、現代社会においても、組織の寡頭制化の問題を考える上で重要な視点を提供しています。特に、民主主義社会における政党のあり方や、市民参加の重要性を考える上で、ミヒェルスの分析は示唆に富むものと言えるでしょう。

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