## マンのブッデンブローク家の人々の構成
第一部
1856年、北ドイツの都市リューベック。裕福な穀物商を営むブッデンブローク家では、一族郎党が集まり、引越し祝いを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。一族の長老であるヨハン・ブッデンブロークは、事業の成功と一族の繁栄を神に感謝し、一族の結束を呼びかける。
第二部
ヨハンには、長男のジャン、長女のベッティーネ、次男のトーマス、次女のクララ、三男のクリスティアンの5人の子供がいた。ジャンは病弱で跡継ぎには不向きとされ、父の事業を継いだのは次男のトーマスだった。トーマスは堅実な実業家で、一族の伝統を守り立てようと努力する。ベッティーネは幸せな結婚生活を送っていたが、夫の死後、精神を病んでしまう。クララは敬虔な女性で、後に牧師と結婚するが、不幸な結婚生活を送ることになる。芸術家肌で放蕩気質なクリスティアンは、家族の事業に馴染めず、俳優になることを夢見て家を出る。
第三部
トーマスは、一族の繁栄のために、事業の拡大と社会的地位の向上に力を注ぐ。彼は、有力商人の娘であるゲルダと結婚し、待望の息子ハノーを授かる。しかし、トーマスの事業は次第に傾き始め、一族の繁栄に陰りが見え始める。ハノーは病弱で、芸術にしか興味を示さない。
第四部
トーマスの事業はついに破綻し、一族は没落の一途をたどる。トーマスは失意のうちに病死し、ゲルダは息子ハノーを連れて実家に戻ってしまう。ハノーは、周囲の期待を一身に背負うことに耐えられず、15歳で夭折してしまう。
第五部
ブッデンブローク家は、かつての繁栄を完全に失い、一族は離散していく。トーマスの弟クリスティアンは、俳優として成功することなく、アルコール依存症となり、精神病院で息を引き取る。一族の中でただ一人、次女のクララだけが、信仰に支えられ、質素ながらも静かな生活を送っていた。
第六部
ブッデンブローク家の屋敷は売却され、一族の歴史は幕を閉じる。しかし、クララは、亡くなった家族や親族たちの思い出を語り継ぎ、一族の精神を後世に伝えていく。
第七部
数十年後、ブッデンブローク家の末裔であるアントンは、かつての一族の栄光を知る由もなく、平凡な市民として暮らしていた。彼は、偶然手に入れた古い日記帳を読み進めるうちに、自身のルーツと一族の歴史について深く知ることになる。