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マルクス/エンゲルスの共産党宣言を読んだ後に読むべき本

マルクス/エンゲルスの共産党宣言を読んだ後に読むべき本

資本論第一巻 ー カール・マルクス

『共産党宣言』が資本主義の批判と共産主義革命の必然性を簡潔に説いたマニフェストであるのに対し、『資本論』はマルクスの経済学説を体系的に展開した、より難解で分量も多い主著です。特に第一巻は資本主義経済の基礎的なメカニズムである「商品」と「貨幣」の分析から始まり、「資本」の本質である「剰余価値」の搾取の構造を解明していきます。

『共産党宣言』で提示された資本主義批判の根拠を、より深く理解するためには、『資本論』第一巻を読むことが不可欠です。『資本論』は難解な著作として知られていますが、マルクス独特の論理展開と歴史分析は、現代社会の矛盾を読み解く上でも多くの示唆を与えてくれます。第一巻を読むことで、『共産党宣言』で提示された問題意識が、いかに現実の経済活動と密接に結びついているかを理解することができます。

例えば、『共産党宣言』では、「ブルジョワジーは、生産手段と交換手段とを集中し、それに応じて、政治的集中を、すなわち、多くの者の手を離れて、国民(国家)の手に移した」と述べられていますが、『資本論』第一巻では、この過程が「資本の本源的蓄積」として詳細に分析されています。具体的には、封建制から資本主義への移行期における農民の土地からの追放、植民地における略奪、国家による保護貿易政策など、暴力的な手段によって資本主義の基盤が築かれたことを明らかにしています。

また、『資本論』第一巻では、資本主義経済における労働の疎外についても詳しく論じられています。マルクスは、労働者が自分の労働の成果である商品から切り離され、労働そのものが商品化されることによって、労働者が疎外されると考えました。この労働の疎外は、『共産党宣言』で述べられている「あらゆる社会関係の、容赦のない破壊」「不断の動揺」「永遠の不安」といった資本主義社会の特徴の一因となっています。

『共産党宣言』は、マルクスの思想のエッセンスに触れることができる重要な書物ですが、『資本論』第一巻を読むことで、その背後にある緻密な論理構成と歴史分析を理解することができます。現代社会の矛盾を読み解き、未来を展望するためにも、『資本論』第一巻は避けて通れない一冊と言えるでしょう。

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