## マルクス/エンゲルスの共産党宣言に匹敵する本
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資本論
カール・マルクス自身による著作である『資本論』は、『共産党宣言』と同様に、世界に大きな影響を与えた歴史的名著です。
『共産党宣言』が資本主義の矛盾と必然的な崩壊、そして共産主義革命の必然性を簡潔に説いたのに対し、『資本論』は、マルクス経済学の理論を用いて資本主義社会の経済構造を詳細に分析し、資本主義の抱える問題をより体系的に解き明かそうとした作品です。
全3巻からなる大著であり、マルクスは第1巻を完成させた後、第2巻、第3巻を完成させることなくこの世を去りました。その後、親友であったエンゲルスがマルクスの遺稿を編集し、世に送り出しました。
『資本論』は、労働価値説に基づき、資本主義社会における搾取の構造、資本の蓄積と集中、階級闘争の激化、経済危機の発生メカニズムなどを分析しています。
出版以来、労働運動、社会主義運動、共産主義運動などに大きな影響を与え、世界各国で翻訳され、様々な解釈や批判を生み出しながら、現代社会の理解に欠かせない古典として読み継がれています。
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種の起源
チャールズ・ダーウィンによる『種の起源』は、生物学のみならず、その後の思想や社会にも多大な影響を与えた歴史的著作です。
ダーウィンは、自然選択による進化論を提唱し、生物は神によって創造された不変の存在ではなく、環境への適応と生存競争を通じて、共通の祖先から長い時間をかけて徐々に変化してきたと主張しました。
この画期的な理論は、当時のキリスト教的世界観に大きな衝撃を与え、激しい論争を引き起こしました。しかし、膨大な観察と実験に基づいたダーウィンの主張は、次第に科学界に受け入れられるようになり、現代生物学の基礎を築きました。
『種の起源』の影響は生物学にとどまらず、社会学、経済学、政治学など様々な分野に波及し、社会ダーウィニズムのような思想を生み出すなど、社会思想にも大きな影響を与えました。
『共産党宣言』が社会構造の変革を訴えたように、『種の起源』もまた、生物界、ひいては世界に対する従来の見方を根本から覆す革命的な書物と言えるでしょう。