マルクス/エンゲルスのドイツ・イデオロギーを読んだ後に読むべき本
資本論第一巻
『ドイツ・イデオロギー』を読み終えた後に自然な流れで次に読むべき本は、マルクス経済学の金字塔である『資本論』第一巻です。『ドイツ・イデオロギー』では、唯物史観の観点から、歴史を物質的生産の観点から捉え、社会構造やイデオロギーを分析しています。
『資本論』は、この唯物史観に基づき、資本主義経済のメカニズムを解明しようとする壮大な試みです。第一巻では、商品、貨幣、資本といった資本主義の基本的な概念が、労働価値説に基づいて分析されています。
『ドイツ・イデオロギー』で展開された歴史観を踏まえ、『資本論』第一巻を読むことで、資本主義社会における生産関係や階級闘争についての理解を深めることができるでしょう。具体的には、『ドイツ・イデオロギー』で批判的に考察された、ヘーゲル左派やフォイエルバッハなどの思想潮流が、どのようにマルクスの経済学へと発展していったのかを、具体的な分析を通して理解することができます。
また、『資本論』第一巻は、マルクスが当時の経済学者とどのように論争し、独自の理論を構築していったのかを知る上でも重要なテキストです。特に、アダム・スミスやダヴィッド・リカードといった古典派経済学の理論を批判的に継承しながら、労働価値説に基づいた独自の資本主義論を展開していく過程は、『ドイツ・イデオロギー』で示されたマルクスの批判的な思考法を理解する上で大いに役立つでしょう。