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マルクス・アウレリウスの語録の思想的背景

マルクス・アウレリウスの語録の思想的背景

ストア哲学

マルクス・アウレリウスの思想の中核を成すのは、ストア哲学です。『語録』には、ストア派の重要な思想家であるエピクテトス、ゼノン、クレアンテスらの影響が色濃く反映されています。ストア哲学は、紀元前3世紀にギリシャで興った哲学の一派で、幸福な人生を送るためには、理性に従って生き、情念に支配されないようにする必要があると説きました。

ストア派の宇宙観とロゴス

ストア派は、宇宙は理性的な原理である「ロゴス」によって支配されており、すべては必然に従って起こると考えていました。人間はロゴスの一部であり、理性に従って生きることで自然と調和した生き方ができるとされました。マルクス・アウレリウスも、宇宙の秩序を受け入れ、理性に従って義務を果たすことこそが人間の幸福につながると考えていました。

徳と幸福

ストア派にとって、幸福とは徳に生きることでした。ストア派は、徳こそが唯一の善であり、富や名声、快楽といった外部的なものは、幸福に影響を与えないと考えていました。マルクス・アウレリウスもまた、徳を重視し、正義、勇気、節制、知恵といったストア派の四つの主要な徳を実践しようと努めました。

情念の制御

ストア哲学では、怒り、悲しみ、恐怖といった情念は、理性的な判断を狂わせるものとして、極力抑制すべきものと考えられていました。マルクス・アウレリウスは、『語録』の中で、情念に流されそうになる自分自身と向き合い、理性によって感情をコントロールすることの重要性を繰り返し説いています。

死生観

ストア派は、死は自然なものであり、恐れるべきものではないと考えていました。マルクス・アウレリウスも、死は避けられないものであり、受け入れるべきものと考えていました。彼はまた、人生は短いものであり、無駄に過ごすべきではないとも説いています。

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