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マリノフスキの西太平洋の遠洋航海者の普遍性

## マリノフスキの西太平洋の遠洋航海者の普遍性

トロブリアンド諸島における調査

マリノフスキは、1915年から1918年にかけて、西太平洋のトロブリアンド諸島で長期にわたる人類学的調査を行いました。この調査は、参与観察という方法を本格的に導入した画期的なものであり、その成果は1922年に”Argonauts of the Western Pacific”(邦題:西太平洋の遠洋航海者)として出版されました。

クラについて

マリノフスキは、著書の中で、トロブリアンド諸島の住民が行うクラと呼ばれる複雑な交易システムについて詳細に記述しました。クラは、貝殻製の装飾品を、決まった航路に沿って、島々間で交換するシステムです。彼は、クラが単なる経済活動ではなく、社会構造、政治、宗教、魔法など、トロブリアンド社会のあらゆる側面と密接に結びついていることを明らかにしました。

機能主義的解釈

マリノフスキは、クラを機能主義的な視点から解釈しました。彼は、一見無意味で非合理的に見える慣習も、社会の維持と秩序のために何らかの機能を果たしていると考えたのです。クラの場合、物資の交換という経済的機能に加えて、社会的な結束を強化し、権威を正当化するなどの政治的な機能、そして航海の安全を祈願する宗教的な機能も持ち合わせていました。

普遍性への示唆

マリノフスキの研究は、一見特異に見える文化現象も、その背後にある社会構造や機能を理解することで、普遍的な人類文化の一つの形態として捉えられることを示唆しています。しかし、彼の主張は、特定の文化現象を普遍的なものとして一般化することの危険性や、文化相対主義の重要性についての議論を喚起するものでもありました。

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