## マリノフスキの西太平洋の遠洋航海者の感性
トロブリアンド諸島民の感性
マリノフスキは、著書『西太平洋の遠洋航海者』の中で、トロブリアンド諸島民の感性を詳細に記述しています。
彼らの生活は、自然環境と密接に結びついています。 特に、海は彼らの生活の源であり、航海はその重要な部分を占めています。 マリノフスキは、彼らが航海の際に風や星などの自然現象を鋭く観察し、経験に基づいた知識を駆使して航海を行っていることを指摘しています。
また、彼らは、自然現象に対して、単なる物理現象としてではなく、精霊や魔術的な力が働いているという信仰を持っています。 例えば、航海の安全は、精霊への儀式やタブーの遵守によって保証されると考えられていました。
経済活動と感性
トロブリアンド諸島民の経済活動は、クーラと呼ばれる交換システムを中心に展開されています。 マリノフスキは、クーラが単なる経済活動ではなく、彼らの社会構造や価値観、そして感性を理解する上で重要な鍵となることを示しました。
クーラを通して交換される貝殻装飾品は、単なる物品としての価値だけでなく、社会的な prestige や、持ち主の能力、そして歴史的な物語を象徴するものでした。 マリノフスキは、クーラにおける贈与と返礼の複雑なシステムが、彼らの社会的な関係性や義務、そして名誉や競争心といった感性を反映していることを明らかにしました。
日常生活と感性
マリノフスキは、トロブリアンド諸島民の日常生活における行動や習慣、そして感情表現についても詳細な観察記録を残しています。
彼は、彼らの社会では、性に対する比較的自由な態度が見られること、親族関係が重要な役割を果たしていること、そして、歌や踊り、物語が彼らの文化において重要な位置を占めていることなどを報告しています。
これらの観察を通して、マリノフスキは、西洋社会の常識とは異なる価値観や社会構造を持つ人々の感性を理解しようと試みました。