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マリノフスキの西太平洋の遠洋航海者の対極

マリノフスキの西太平洋の遠洋航海者の対極

「構造人類学」レヴィ=ストロース

マリノフスキの「西太平洋の遠洋航海者」は、長期間の参与観察を通じて得られた詳細な民族誌記述を特徴とし、その後の文化人類学に大きな影響を与えました。一方、レヴィ=ストロースの「構造人類学」は、個別文化の具体的な記述よりも、人間の思考の普遍的な構造を明らかにすることに重点を置いています。

方法論の違い:参与観察 vs. 構造分析

マリノフスキは、トロブリアンド諸島で数年間にわたり現地の人々と生活を共にすることで、彼らの文化を内側から理解しようとしました。彼は、詳細な参与観察を通じて得られた膨大な記録に基づいて、彼らの社会構造、経済活動、宗教儀式などを分析しました。

一方、レヴィ=ストロースは、フィールドワークよりも、神話や親族関係などの文化資料の構造分析を重視しました。彼は、人間の無意識には、文化や言語の違いを超えた共通の構造が存在すると考え、それを二項対立や親族の基本構造といった概念を用いて分析しました。

研究対象の違い:個別文化 vs. 人間の思考

マリノフスキは、トロブリアンド諸島という特定の文化を深く理解することに関心を持ち、その文化の独自性を明らかにしようとしました。彼は、それぞれの文化は、その歴史や環境に適応して形成された独自の体系であると捉えました。

一方、レヴィ=ストロースは、個別文化の違いを超えて、人間の思考に共通する普遍的な構造を明らかにすることに関心を持ちました。彼は、文化や言語は、人間の思考という共通の基盤の上に成り立っていると考えました。

影響:イギリス社会人類学 vs. フランス構造主義

マリノフスキの「西太平洋の遠洋航海者」は、イギリス社会人類学の発展に大きな影響を与え、参与観察に基づく詳細な民族誌記述の重要性を示しました。彼の影響を受けた学者たちは、世界各地でフィールドワークを行い、多様な文化に関する貴重な記録を残しました。

一方、レヴィ=ストロースの「構造人類学」は、フランス構造主義の中心的な著作となり、哲学、文学、言語学など幅広い分野に影響を与えました。彼の思考方法は、人間の文化や社会を理解するための新たな視点を提供するものでした。

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