マリノフスキの西太平洋の遠洋航海者の周辺
マリノフスキの活動
ブロニスワフ・マリノフスキ(1884-1942)は、ポーランド出身のイギリスの人類学者です。彼は参与観察という手法を用い、長期間にわたって現地の人々と生活を共にすることで、その文化や社会を深く理解しようとしました。
西太平洋における調査
マリノフスキは、1914年から1920年にかけて、第一次世界大戦の影響でオーストラリアに滞在中に、メラネシアのニューギニア島北東沖に浮かぶトロブリアンド諸島で2度にわたり長期の調査を行いました。
遠洋航海者としてのトロブリアンド諸島民
トロブリアンド諸島民は、優れた航海術を持ち、カヌーを使って近隣の島々との間で活発な交易を行っていました。彼らは、星や太陽、風、海流などを巧みに利用して航海し、遠洋航海にも長けていました。
クラ交換
マリノフスキは、トロブリアンド諸島におけるクラと呼ばれる貝殻の腕輪やネックレスの交換システムを研究し、それが単なる経済活動ではなく、社会構造や権力関係、宗教的儀礼などと密接に結びついた複雑な社会現象であることを明らかにしました。