Skip to content Skip to footer

マリノフスキの西太平洋の遠洋航海者と時間

マリノフスキの西太平洋の遠洋航海者と時間

マリノフスキの調査と時間の概念

ブローニスワフ・マリノフスキは、20世紀初頭にメラネシアのトロブリアンド諸島で長期間にわたる参与観察を行い、その文化と社会に関する詳細な民族誌を著しました。彼の著作は、人類学における機能主義の学派に大きな影響を与え、今日でも広く読まれ、研究されています。

時間の認識における文化差

マリノフスキは、トロブリアンド諸島の住民が、西洋文化とは異なる時間認識を持っていることを観察しました。西洋文化では、時間は線形的かつ客観的なものとして捉えられ、過去から現在、未来へと一定の速度で流れていくと考えられています。一方、トロブリアンド諸島の住民にとって、時間は循環的かつ主観的なものであり、自然のリズムや社会的な出来事に密接に関連していました。

クラと時間の関係

マリノフスキは、トロブリアンド諸島の社会におけるクラと呼ばれる複雑な交換システムを研究しました。クラは、首飾りや腕輪などの貴重な品物を、島々を巡回する形で交換するものであり、社会的な紐帯を維持する上で重要な役割を果たしていました。マリノフスキは、クラの交換サイクルが、トロブリアンド諸島の住民の時間認識に深く関わっていることを指摘しました。

時間の研究における課題

マリノフスキの研究は、文化人類学における時間研究の重要性を示すものでしたが、同時にいくつかの課題も提起しました。例えば、彼の観察は、トロブリアンド諸島という特定の文化における時間認識に焦点を当てたものであり、他の文化にも普遍的に当てはまるわけではありません。また、彼の著作は、西洋文化の時間認識との対比において、トロブリアンド諸島の時間認識を描写しているという側面もあり、その客観性については議論の余地があります。

Amazonで購入する

Leave a comment

0.0/5