Skip to content Skip to footer

マチエのフランス大革命の対極

マチエのフランス大革命の対極

反革命側から見たフランス革命 – アレクシス・ド・トクヴィルの考察

 アルベール・マチエの『フランス革命史』は、フランス革命を民衆による自発的な運動として捉え、その成果を高く評価した作品として知られています。一方、マチエとは異なる視点からフランス革命を分析し、その解釈において対照的な立場をとる歴史家も存在します。その代表格と言えるのが、アレクシス・ド・トクヴィルです。

 トクヴィルは、1856年に発表した『旧体制と革命』の中で、フランス革命を旧体制の延長線上にある出来事として捉えました。彼は、革命によって旧体制の弊害が突然変異したのではなく、むしろ革命以前から存在していた中央集権的な権力構造や社会的不平等が、革命によってさらに強化されたと主張しました。

 トクヴィルの分析は、マチエの主張とは大きく異なり、革命の負の側面を強調したものとなっています。しかし、彼の視点は、革命の複雑な要因や結果を理解する上で重要な視点を提供しています。トクヴィルは、フランス革命を単なる政治的な変革として捉えるのではなく、社会構造や国民意識の変容というより深いレベルで分析しました。

歴史の捉え方の違い – 進歩史観と批判的歴史認識

 マチエとトクヴィルのフランス革命に対する解釈の違いは、歴史に対する根本的な認識の違いに根ざしています。マチエは、歴史を人類の進歩として捉える進歩史観の立場から、フランス革命を肯定的に評価しました。一方、トクヴィルは、歴史を単純な進歩として捉えることを避け、革命の矛盾や負の側面にも目を向けました。

 マチエとトクヴィルの著作は、フランス革命という歴史的事件に対する多様な解釈の可能性を示すと同時に、歴史をどのように捉え、分析するかという歴史認識の重要性を私たちに教えてくれます。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5