マイモニデスの迷える者の手引きと作者
「迷える者の手引き」の概要
「迷える者の手引き」(דלאל̈ת אלחאירין, Dalālat al-ḥā’irīn, ヘブライ語: מורה נבוכים, Moreh Nevukhim)は、ユダヤ教の哲学者であり学者であったモーセ・ベン・マイモーン（マイモニデス、1138年-1204年）によって1190年頃に書かれた哲学書です。アラビア語で書かれたこの書物は、ユダヤ教の教えとアリストテレス哲学の調和を試みることで、当時のユダヤ思想に多大な影響を与えました。
マイモニデスと「迷える者の手引き」の関係
「迷える者の手引き」は、マイモニデスが、宗教的伝統と哲学的探求との間で葛藤する弟子からの要請に応えて執筆されました。
マイモニデスは、この書物の中で、聖書の寓意解釈を用いながら、ユダヤ教の教義を哲学的に説明しようと試みています。 特に、彼は、神の属性、預言の性質、世界の創造、悪の存在といった問題について論じています。
「迷える者の手引き」におけるマイモニデスの意図
マイモニデスは、「迷える者の手引き」を、高度な哲学的知識を持つ読者を対象に執筆しました。彼は、ユダヤ教の教えと哲学の間には矛盾がないことを示し、信仰と理性の調和を図ることを目的としていました。
しかし、その内容は難解であり、当時のユダヤ教社会においては、論争の的となることもありました。