マイネッケの近代史における国家理性の理念の面白さ
近代史における国家理性の理念
フリードリヒ・マイネッケの主著『近代史における国家理性の理念』(Die Idee der Staatsräson in der neueren Geschichte) は、1924年に刊行されました。原稿は1890年代から執筆されていましたが、第一次世界大戦の勃発により中断し、マイネッケの死後、弟子たちによって編集・出版されました。
本書における「国家理性」の定義
マイネッケは本書において、「国家理性」を「国家の存続と発展のための政治的知恵」と定義しています。これは、道徳や法を超越した、現実主義的な政治判断の基準となるものです。
歴史における「国家理性」の作用
マイネッケは、マキャベリから18世紀の啓蒙主義に至るまでの西洋近代史を分析し、「国家理性」が歴史の中でどのように作用してきたかを明らかにしようと試みています。彼は、宗教改革や絶対王政といった歴史的出来事において、「国家理性」が重要な役割を果たしてきたことを具体例を通して示しています。
本書の意義
『近代史における国家理性の理念』は、政治思想史における古典の一つと数えられています。それは、単に「国家理性」という概念を歴史的に分析しただけでなく、近代国家の形成と発展における権力と道徳の複雑な関係を浮き彫りにした点で、大きな意義を持つからです。
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