## マイネッケの近代史における国家理性の理念の仕組み
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近代史における国家理性
フリードリヒ・マイネッケは、その主著『近代史における国家理性の理念』(1924年)において、近代ヨーロッパ史を「国家理性」の発展という観点から解釈しました。彼によれば、近代とは、中世の普遍的な権力構造が崩壊し、それぞれの国民が独自の国家を形成していく過程です。そして、この国家形成を推進するのが「国家理性」です。
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国家理性の多様な現れ
マイネッケは、「国家理性」を抽象的な概念としてではなく、歴史の中で具体的な形を取りながら現れるものとして捉えました。彼によれば、「国家理性」は、内政においては、法治国家の確立、官僚制の発達、国民経済の形成などを通じて具現化されます。一方、外交においては、勢力均衡の維持、国際法の形成、戦争の合理化などを通じてその姿を現します。
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国家と個人の関係
マイネッケは、「国家理性」を個人を抑圧する力とは見なしませんでした。彼は、国家と個人の関係を、相互に影響を与え合いながら発展していくものとして理解しました。彼の考えでは、「国家理性」の発展は、個人の自由や権利を保障するものであり、逆に、個人の自由や権利の意識の高まりは、「国家理性」をより高次なものへと発展させる原動力となります。
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国家理性の限界
ただし、マイネッケは、「国家理性」を万能なものとは考えていませんでした。彼は、「国家理性」にも限界があり、時には、国家間の対立や戦争を引き起こす可能性も孕んでいることを指摘しました。特に、国民国家の形成が遅れたドイツにおいては、「国家理性」がナショナリズムと結びつき、第一次世界大戦のような悲劇を生み出したことを、マイネッケは深く憂慮していました。
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