## マイネッケの歴史主義の成立の世界
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マイネッケの生きた時代
レオポルト・フォン・ランケと並び称されるドイツの歴史家、フリードリヒ・マイネッケ(1861-1954)は、19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍しました。この時代は、ドイツ帝国の成立と崩壊、二つの世界大戦、そして冷戦の始まりと、激動の時代でした。このような時代背景の中、マイネッケは歴史研究に情熱を注ぎ、歴史主義の立場から独自の史学を築き上げました。
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歴史主義の隆盛と批判
マイネッケが歴史を学び始めた19世紀後半は、ランケに代表される歴史主義が隆盛を極めていた時代でした。歴史主義は、過去の出来事を、その時代背景や文化、思想などを考慮に入れて、個別具体的に理解しようとする歴史観です。しかし、19世紀末から20世紀初頭にかけて、この歴史主義に対する批判が高まります。特に、歴史研究における客観性の問題、史料の解釈をめぐる問題などが指摘されました。
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マイネッケの歴史主義
こうした歴史主義に対する批判を踏まえ、マイネッケは独自の史学を展開しました。彼は、歴史家は過去の出来事を完全に客観的に理解することはできないとしながらも、歴史的認識の努力を続けることの重要性を訴えました。また、歴史は単なる過去の出来事の羅列ではなく、現代に繋がる意味を持つものであると主張し、「歴史の現在性」という概念を提唱しました。
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主要な著作
マイネッケは、その生涯を通じて多くの著作を残しました。その中でも特に重要なのは、『ドイツにおける歴史主義』(1935-1936)です。この著作の中で、マイネッケは、ドイツにおける歴史主義の発展を、ヨハン・ゴットフリート・ヘルダー、ランケ、ヨハン・グスタフ・ドロイゼンといった歴史家たちの思想を辿りながら描き出しました。
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歴史学への影響
マイネッケの歴史主義は、20世紀の歴史学に大きな影響を与えました。彼は、歴史研究における客観性と主観性の問題、歴史の解釈と意味の問題など、現代の歴史学においても重要なテーマを提起しました。