ポーの黄金虫の原点
暗号
エドガー・アラン・ポーの短編小説「黄金虫」は、暗号解読を主題としており、物語の中心的な役割を果たしています。 物語の中で、ウィリアム・レグランドは、偶然発見した羊皮紙に書かれた暗号文を解読することで、海賊キッド船長の埋蔵宝の在り処を見つけ出します。
ポーは暗号に興味を持ち、新聞に暗号解読の腕前を誇示していました。読者から暗号を募集し、ほとんどすべてを解読してみせたという逸話も残っています。「黄金虫」は、ポーの暗号への造詣が色濃く反映された作品と言えるでしょう。
サウスカロライナ州サリバン島
「黄金虫」の舞台は、サウスカロライナ州チャールストン近くのサリバン島です。ポーは当時、チャールストンに住んでおり、新聞社の編集者として働いていました。 サリバン島は、ポーが頻繁に訪れていた場所であり、物語の舞台として詳細に描写されています。 特に、物語に登場する朽ち果てた木や、海岸線は、当時のサリバン島の風景を彷彿とさせます。
海賊伝説
「黄金虫」は、海賊の埋蔵宝の伝説を題材としています。18世紀初頭、カリブ海や北アメリカ東海岸で活躍した実在の海賊、ウィリアム・キッドは、莫大な財宝を隠し持っていたと噂され、その伝説はポーの時代にも語り継がれていました。 ポーは、この有名な海賊伝説を物語のモチーフとして取り入れ、読者の興味を惹きつけました。