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ボーンのアインシュタインとの対話の普遍性

## ボーンのアインシュタインとの対話の普遍性

マックス・ボルンの「アインシュタインとの対話」は、20世紀を代表する物理学者アルバート・アインシュタインと、同じく物理学者であり、アインシュタインの友人でもあったマックス・ボルンの間で交わされた書簡や対話をもとに、当時の科学、哲学、宗教、政治など幅広いテーマについて論じた書物です。

この書は、単なる科学書ではなく、二人の天才の思考の軌跡を辿ることで、人間存在や世界のあり方といった普遍的なテーマについて深く考えさせてくれるという点で、時代を超えた価値を持つと言えます。

普遍性を探る上で重要なのは、二人の対話の根底に流れている「科学と人間性」のせめぎ合いです。

アインシュタインは、決定論的な世界観に基づき、量子力学の確率解釈に強い反発を示しました。一方のボルンは、量子力学の確率解釈を支持し、自然の不確定性を受け入れる立場をとりました。二人の対話は、単なる科学論争に留まらず、人間の思考の限界や、世界に対する認識のあり方といった根源的な問いへと発展していきます。

さらに、本書は「科学者の社会的責任」についても重要な視点を提供しています。

第二次世界大戦後、アインシュタインは核兵器の開発に協力したことを深く後悔し、平和運動に積極的に参加しました。ボルンもまた、科学技術の進歩がもたらす光と影に深く心を痛め、科学者の倫理観の重要性を訴えました。冷戦の影が色濃く残る時代に書かれた本書は、科学と社会の関係、そして人間の責任という、現代社会においても重要なテーマを提起しています。

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