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ボルヘスのバベルの図書館の思想的背景

## ボルヘスのバベルの図書館の思想的背景

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無限と有限の対比

「バベルの図書館」は、無限に広がる書架にあらゆる可能性のある書物が収められているという設定を持つ。この設定は、無限という概念と、人間の有限な認識能力との対比を浮き彫りにしている。

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全体と部分の関係

図書館は全体として完全な知識を内包しているが、個々の書物は無意味な文字の羅列である場合が多い。これは、全体と部分の関係が必ずしも一致しないことを示唆している。

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知識の網羅性と無意味さ

図書館にはあらゆる知識が収められているはずなのに、その知識は断片的で、文脈を欠いているため、意味をなさなくなっている。これは、知識の網羅性が必ずしも真の理解に繋がるとは限らないことを示唆している。

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言語の恣意性

書物は言語によって構成されているが、作中では言語自体が恣意的な記号の組み合わせとして描かれている。これは、言語が現実を完全に反映するものではなく、解釈の余地を残すことを示唆している。

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人間の存在の不確かさ

図書館員たちは、自分たちの存在意義や図書館の目的を見出せずに苦悩する。これは、広大な宇宙における人間の存在の小ささと、その不確かさを象徴している。

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カバラ思想の影響

ボルヘスは、ユダヤ教神秘主義思想であるカバラの影響を受けていることが知られている。カバラでは、神の名や宇宙の秘密が文字に秘められているとされ、「バベルの図書館」にも、書物に絶対的な真理が隠されているという考え方が反映されている。

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