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ボッカチオのデカメロンに関連する歴史上の事件

## ボッカチオのデカメロンに関連する歴史上の事件

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黒死病(ペスト)

ボッカチオの『デカメロン』は、1348年にイタリアのフィレンツェを襲った黒死病の流行を背景に書かれました。物語は、ペストから逃れるためにフィレンツェ郊外の別荘に避難した10人の男女が、退屈しのぎに10日間かけて、毎日一人一話ずつ、合計100の物語を語り合うという構成になっています。

ペストは当時のヨーロッパ社会に壊滅的な打撃を与え、人口の3分の1から2分の1が命を落としたと推定されています。人々は、ペストの原因がわからず、効果的な治療法もない中で、恐怖と混乱に陥りました。

『デカメロン』は、ペスト禍という極限状態における人間の様々な側面を描いています。死の恐怖におびえながらも、愛、欲望、知恵、ユーモアなどを求めて生きる人々の姿を通して、ボッカチオは、人間の生の力強さを謳いあげているとも解釈できます。

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中世からルネサンスへの過渡期

『デカメロン』が書かれた14世紀は、中世からルネサンスへの過渡期にあたり、社会、文化、価値観に大きな変化が生じていました。教会の権威が相対的に低下し、人間中心的な考え方が広まり始めました。

『デカメロン』には、教会や聖職者を風刺した物語が多く含まれており、当時の社会における宗教に対する人々の意識の変化を反映していると言えるでしょう。また、恋愛や性愛をテーマにした物語も多く、人間の本能や欲望を肯定的に捉えるルネサンス的な価値観の先駆けと見なすこともできます。

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フィレンツェの社会

『デカメロン』には、当時のフィレンツェの社会や風俗が生き生きと描かれています。商工業が盛んな都市国家であったフィレンツェでは、貴族階級に加えて、商人、職人、労働者など様々な階層の人々が生活していました。

物語には、貴族、商人、聖職者、農民、召使いなど、様々な階層の人物が登場し、それぞれの立場や性格が巧みに描き分けられています。当時のフィレンツェの社会構造や人々の生活様式、人間関係などを垣間見ることができます。

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