## ボエティウスの哲学の慰めから得られるもの
###
苦難に直面した人間の姿
「哲学の慰め」は、陰謀によって投獄され、死を待つばかりとなったボエティウスが、自身の運命を嘆き苦悩する姿から始まります。かつての栄光と現在の没落、肉体的苦痛と精神的苦悩が赤裸々に描かれ、読者は、高い知性と社会的地位を持つ人物でさえも逃れられない人間の弱さや無力さを目の当たりにすることになります。
###
哲学による慰めと導き
絶望の淵にいるボエティウスの前に現れるのが、擬人化された「哲学」です。哲学は、悲嘆に暮れるボエティウスを優しく諭し、対話を通して彼の心を慰め、正しい方向へと導いていきます。 哲学は、当時の哲学や神学の知識を駆使し、運命の無常さ、真の幸福のあり方、神の存在と摂理など、普遍的なテーマについて論じていきます。
###
理性と信仰の重要性
哲学は、感情に流されることなく、理性によって物事を冷静に判断することの重要性を説きます。 また、神への信仰を持つことで、逆境にも耐え、心の平安を得ることができると説きます。 ボエティウスは、哲学との対話を通して、自身の置かれた状況を客観的に見つめ直し、心の平静を取り戻していきます。
###
古典古代の知恵
「哲学の慰め」は、プラトン、アリストテレス、ストア派など、古典古代の哲学思想の影響を色濃く受けています。 ボエティウスは、これらの哲学者の思想を引用しながら、人間の幸福、運命、自由意志、神などについて考察を深めていきます。 読者は、西洋思想の根幹をなす古典古代の知恵に触れることができます。
Amazonで詳細を見る
読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。