ホメロスのオデュッセイアの構成
構成
ホメロスのオデュッセイアは、全24巻からなる長編叙事詩です。この叙事詩は、大きく分けて以下の3つの部分に分けられます。
1. テーマキア(神の会議) – 第1歌
第1歌は、物語の背景と、今後の展開を暗示する重要な役割を担っています。
* オデュッセウス不在のイタカ島の現状
* ペネロペイアとテレマコスが苦境に立たされている様子
* 女神アテナがテレマコスに旅立ちを促す場面
などが描かれます。
2. テレマケイア(テレマコスの旅) – 第2歌~第4歌
ここでは、成長したテレマコスが、父を探す旅に出る様子が描かれます。
* ネストルやメネラオスといったトロイア戦争の英雄たちを訪ね、父の情報を求めます。
* この旅を通じて、テレマコスは一人前の男として成長していきます。
3. ノストス(帰還) – 第5歌~第24歌
第5歌から、物語は主人公オデュッセウスに焦点が移ります。
* カリュプソの島から故郷イタカ島への帰還
* 様々な苦難を乗り越え、故郷にたどり着く
* 妻ペネロペイアとの再会、そして求婚者たちとの戦いと勝利
などが描かれます。
構成上の特徴
ホメロスのオデュッセイアは、時系列に沿って物語が進むのではなく、回想を効果的に用いることで、複雑で重層的な構成となっています。
* オデュッセウス自身の口から、これまでの冒険譚が語られる場面が多く見られます。
* また、随所に神々の介入があり、物語に起伏を与えています。
以上の3つの部分と、回想や神々の介入といった構成上の特徴によって、ホメロスは壮大なスケールで、魅力的な英雄叙事詩を完成させました。