ホメロスのオデュッセイアのメカニズム
叙事詩の構成
「オデュッセイア」は全24歌から成る叙事詩であり、大きく分けて以下の3つの部分で構成されています。
* **1. テーマケマケイア(1歌~4歌):**
主人公オデュッセウスの帰還を待ちわびる息子テレマコスの成長と、彼の旅立ちが描かれます。
* **2. ノストス(5歌~12歌):**
トロイア戦争終結後、様々な苦難を乗り越えてきたオデュッセウス自身の冒険譚が語られます。
* **3. イタケへの帰還とその後(13歌~24歌):**
オデュッセウスは故郷イタケ島へ帰還し、変装して宮殿に潜入、自分を苦しめていた求婚者たちを討ち果たし、妻ペーネロペイアと再会を果たします。
物語の語り口
「オデュッセイア」は、三人称の語り手によって物語が進行します。語り手は、登場人物の心情や未来を予見するなど、全知的な存在として描かれています。
また、物語は時系列に沿っては語られず、「イン・メディアス・レス」という手法を用いて、物語の途中から始まり、過去の出来事は回想形式で語られます。
特徴的な表現技法
「オデュッセイア」では、下記のような特徴的な表現技法が用いられています。
* **反復法:**
特定の言葉やフレーズを繰り返すことで、物語にリズム感を与え、重要な場面を強調しています。
* **比喩:**
特に、ホメロス風比喩と呼ばれる、長く詳細な比喩を用いることで、情景や登場人物の心情を鮮やかに描き出しています。
* **擬声語や擬態語:**
音や動作を文字で模倣することで、臨場感あふれる描写を実現しています。
これらのメカニズムが組み合わさることで、「オデュッセイア」は古代ギリシャの人々の価値観や世界観を反映した、壮大で感動的な物語として、現代まで語り継がれていると言えるでしょう。
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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。