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ホメロスのイリアスの話法

ホメロスのイリアスの話法

叙事詩における話法

「イリアス」は叙事詩というジャンルに属し、その話法は物語を語る上で重要な役割を果たしています。叙事詩の特徴の一つは、物語を客観的に語る「語り手」の存在です。語り手は物語の世界を自由に行き来し、登場人物の心情や出来事の背景を詳細に描写することができます。

三人称視点と神の視点

「イリアス」の語り手は三人称視点で物語を語ります。つまり、語り手自身は物語に登場せず、登場人物たちの行動や思考を客観的に描写します。さらに、「イリアス」の語り手は「神の視点」を持つとされています。これは、語り手が神々と同じように、未来や過去、そして登場人物たちの心の内側までも見通すことができることを意味します。

詳細な描写と比喩表現

「イリアス」の話法の特徴の一つに、詳細な描写があります。戦いにおける登場人物たちの動きや武器、防具の描写は非常に具体的で、読者はまるでその場に居合わせているかのような臨場感を味わえます。また、「イリアス」では比喩表現が多用されています。特に、「~のように」という形式の直喩は、「イリアス」の大きな特徴と言えるでしょう。これらの比喩表現は、登場人物たちの心情や情景をより鮮やかに描き出す効果があります。

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