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ホッブズのリヴァイアサンの面白さ

ホッブズのリヴァイアサンの面白さ

ホッブズのリヴァイアサンの面白さ

トマス・ホッブズの『リヴァイアサン』は、17世紀に書かれた政治哲学の古典であり、その緻密な論理と冷徹な人間観察は、今日においてもなお、我々を惹きつけてやみません。本書の面白さは、多岐にわたる観点から論じることができます。

自然状態という思考実験

ホッブズは、国家が存在しない「自然状態」という思考実験を用いて、人間の行動原理を分析しました。この自然状態では、全ての人間は自由かつ平等ですが、資源は限られています。そのため、自己保存と欲望の充足を目指す人間は、絶えず衝突し、猜疑心と恐怖に支配された状態に陥ります。「万人の万人に対する闘争」と呼ばれるこの状況は、決して望ましいものではなく、そこから抜け出すためには、絶対的な主権を持つ国家の必要性を論理的に導き出します。

社会契約論の先駆的な試み

ホッブズは、自然状態から脱却し、平和な社会を実現するためには、人々が互いに契約を結び、自らの権利の一部を主権者に譲渡する必要があると主張しました。この社会契約論は、後の政治思想に多大な影響を与え、ロックやルソーといった思想家たちも、ホッブズの議論を批判的に継承しながら、独自の社会契約論を展開していくことになります。

リヴァイアサンという比喩

ホッブズは、絶対的な権力を持つ国家を、旧約聖書に登場する巨大な怪物「リヴァイアサン」に喩えました。国家は、人々の自由を制限する存在であると同時に、内外の脅威から人々を守る唯一の存在でもあるという点で、リヴァイアサンのイメージは、国家の持つ二面性を象徴的に表しています。

現代社会への鋭い洞察

『リヴァイアサン』は、権力、暴力、秩序、自由といった普遍的なテーマを扱っており、現代社会においても多くの示唆を与えてくれます。グローバリズムの進展や国家間の対立など、現代社会が直面する様々な課題を考える上でも、ホッブズの思想は、重要な視点を提供してくれると言えるでしょう。

これらの要素に加え、『リヴァイアサン』は、当時の宗教や政治状況を背景に書かれたという歴史的文脈を理解することで、より深く味わうことができます。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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