ホッブズのリヴァイアサンの技法
ホッブズの明確な議論展開
トマス・ホッブズの『リヴァイアサン』は、その厳密な論理構造と、幾何学的な証明に似た演繹的な議論の進め方が特徴です。ホッブズは、まず人間の自然状態という基本的な前提から出発し、そこから絶対的な主権者が必要であるという結論を導き出します。
修辞技法と比喩表現の駆使
ホッブズは、その主張を明確かつ強力に伝えるために、様々な修辞技法や比喩表現を駆使しています。例えば、国家を巨大な怪物「リヴァイアサン」にたとえることで、国家の圧倒的な力を印象的に表現しています。また、人間を駆り立てるのは自己保存の欲求であるという性悪説を展開し、人間の自然状態を「万人の万人に対する闘争」と表現しています。
聖書の解釈と政治思想の融合
ホッブズは、『リヴァイアサン』の中で、聖書の解釈を積極的に政治思想に導入しています。聖書の権威を借りることで、自らの主張の正当性を主張するとともに、当時の宗教的な社会状況に対応しようとしたと考えられます。