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ホッブズのリヴァイアサン

ホッブズのリヴァイアサン

リヴァイアサンとは何か

トマス・ホッブズの著作『リヴァイアサン』 (1651年) は、西洋政治思想における最も影響力のある作品の1つです。この作品でホッブズは、絶対的な主権者が必要であるという主張を展開するために、「リヴァイアサン」という印象的なイメージを用いています。

聖書の怪獣

「リヴァイアサン」という言葉自体は、旧約聖書に登場する巨大な海の怪獣を指します。その圧倒的な力と大きさは、自然の力と人間の理解を超えたものの象徴として、畏怖と畏敬の念を抱かせます。

人工の人間

ホッブズはこの聖書のイメージを借り、自らの政治哲学の中核に据えました。彼にとってリヴァイアサンは単なる怪獣ではなく、「人工の人間」、すなわち国家を擬人化したものです。無数の個人の契約によって創造されたこの巨大な存在は、人々を統治し、秩序を維持するために絶対的な権力を持ちます。

表紙絵に描かれた象徴

『リヴァイアサン』の初版の表紙絵には、この人工の人間が描かれています。巨大な体を持つその姿は、無数の小さく描かれた人々によって構成されており、国家が個人の集合体であることを視覚的に表現しています。右手には剣、左手には杖を持ち、世俗と宗教の両方の権力を象徴しています。頭には冠を戴き、その権力の至高性を示しています。

リヴァイアサンの意義

ホッブズは、リヴァイアサンというイメージを通して、国家の圧倒的な力を表現しました。自然状態における「万人の万人に対する闘争」を防ぎ、平和と安全を保障するためには、絶対的な権力を持つ主権者が必要であると彼は主張します。リヴァイアサンは、人々の恐怖を抑制し、秩序を維持する、畏怖すべき、しかし不可欠な存在として描かれています。

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