ホジスキンの労働擁護論の面白さ
ホジスキンはどんな主張をしているのか
G.D.H.コールは、著書『社会主義思想史』の中で、トーマス・ホジスキンを「初期社会主義者」の一人に位置付けています。これは、ホジスキンが、19世紀前半のイギリスにおいて、資本主義の弊害を批判し、労働者の権利を擁護した思想家であったことを意味します。
ホジスキンは、労働こそが富の源泉であると主張しました。彼は、地主は労働せずに地代を、資本家は労働者を搾取することで利潤を得ていると批判し、労働者が生産手段を所有し、自らの労働によって得られる成果を享受すべきだと論じました。
「労働擁護論」は何が面白いのか
ホジスキンの主張は、今日の視点から見ると、必ずしも目新しいものとは言えません。しかし、彼の著作が書かれた時代背景を考えると、その先見性とラディカルさが際立ちます。
産業革命のさなかにあった19世紀前半のイギリスでは、資本家階級が台頭し、労働者階級は劣悪な環境下で長時間労働を強いられていました。ホジスキンは、このような状況に対して、労働者の権利を擁護し、社会正義の実現を訴えました。
彼の著作は、当時の労働運動に大きな影響を与え、後の社会主義思想の形成にも貢献しました。彼の思想は、現代社会においても、労働問題や経済格差を考える上で重要な視点を提供しています。
Amazonで詳細を見る
読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。