ホジスキンの労働擁護論の原点
ホジスキンと初期社会主義
トーマス・ホジスキン（1787-1869）は、初期社会主義思想家の一人であり、労働者階級の窮状を改善するために尽力しました。彼は、資本主義社会における労働の搾取を批判し、労働者が生産手段を所有・管理する協同組合運動を提唱しました。
リカード経済学の影響
ホジスキンの経済思想は、デヴィッド・リカードの古典派経済学から大きな影響を受けています。リカードは、労働価値説を唱え、商品の価値はそれを生産するために必要な労働量によって決まると主張しました。ホジスキンは、この考え方を発展させ、資本家は労働者に正当な賃金を支払わず、剰余価値を搾取していると批判しました。
ロバート・オウエンとの関係
ホジスキンは、同じく初期社会主義思想家であるロバート・オウエンと親交があり、彼の思想や活動から大きな影響を受けました。オウエンは、スコットランドのニュー・ラナークで理想的な工場村を実現しようと試み、労働環境の改善や教育の普及に尽力しました。ホジスキンは、オウエンの実験に共感し、彼と共に協同組合運動を推進しました。
労働者階級の教育
ホジスキンは、労働者階級の生活水準を向上させるためには、教育が不可欠であると考えていました。彼は、労働者向けの夜間学校や図書館の設立を支援し、労働者が自ら学び、社会問題について考える力を養うことを奨励しました。
女性の権利擁護
ホジスキンは、女性の社会的地位の向上にも関心を持ち、女性の参政権や教育機会の拡大を訴えました。彼は、女性も男性と同様に理性を持ち、社会に貢献する能力があると信じていました。