ホジスキンの労働擁護論と時間
ホジスキンにおける労働と時間
E.P.Thompsonがその著「英国における労働者階級の形成」で述べているように、18世紀後半から19世紀初頭にかけてのイギリスでは、時間に対する認識が大きく変化しました。伝統的な労働観においては、労働時間は仕事量によって決まり、労働と余暇は明確に区別されていませんでした。しかし、工場制機械生産の普及とともに、労働時間は工場の時計によって管理され、労働者は決められた時間に従って働くことを強制されるようになりました。
ホジスキンの労働擁護論における時間
トマス・ホジスキンは、このような時間に対する新しい認識に異議を唱えた社会主義者の一人です。彼は、労働こそが人間の尊厳の源泉であると考え、労働者が自らの労働時間を自由に決定できるべきだと主張しました。ホジスキンは、労働者が工場で長時間労働を強いられることで、自己啓発や政治活動のための時間が奪われ、結果として資本家に搾取されやすくなると批判しました。
時間と労働の解放
ホジスキンは、労働時間の短縮が労働者の解放に不可欠であると考えました。彼は、労働時間が短縮されることで、労働者は余暇時間を自己啓発や政治活動に充てることができると主張しました。また、労働時間の短縮は、失業者の減少にもつながると考えました。
結論
ホジスキンは、労働と時間に対する独自の視点を提示しました。彼の主張は、今日の労働時間に関する議論にも通じるものがあります。