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ホイジンガの中世の秋

ホイジンガの中世の秋

第一章 騎士道と貴族的理想の終焉

 14世紀から15世紀のブルゴーニュ宮廷文化を背景に、華麗さとともに退廃の兆しを見せる騎士道文化の実態を、騎士祭、武勲、恋愛、敬虔などのキーワードから描き出す。華麗な形式主義と現実の乖離が進み、騎士道は本来の精神を失い、虚栄と惰性に満ちたものへと変質していく様を描く。

第二章 生の様式における夢と現実

 中世の人々の生活様式、特に衣食住や娯楽、祭礼などに焦点を当て、そこに現れる「夢」と「現実」のせめぎあいを分析する。当時の美術や文学作品を引用しながら、華麗な表層の裏に潜む不安や死への意識、現世と来世に対する複雑な感情を明らかにする。

第三章 新しい生活感情

 宗教、道徳、恋愛観など、中世人の精神生活を支配していた伝統的な価値観が、14世紀から15世紀にかけてどのように変化していくのかを追う。ペストの流行や百年戦争などの社会的混乱が人々の心に暗い影を落とし、厭世観や死生観に変化が生じたと指摘する。

第四章 宗教生活の諸相

 中世社会における宗教の支配的な役割を踏まえつつ、14世紀から15世紀にかけて現れた宗教生活の様々な変化を分析する。神秘主義や異端運動の興隆、聖人崇拝の過熱などを例に挙げ、伝統的な信仰形態の変容と、人々の救済への渇望を描き出す。

第五章 秋の光

 14世紀から15世紀の文化を「秋の光」と表現し、そこに現れる美意識の特徴を分析する。ゴシック美術の精緻な美しさ、写本の挿絵に見られる色彩感覚、詩歌や音楽に見られる形式美などを、当時の文化全体を貫く「様式化」の概念と結びつけ考察する。

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