## ペスタロッチのゲルトルートはいかにその子を教えるかの関連著作
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エミール
ジャン=ジャック・ルソーによって1762年に発表された教育論、および恋愛小説。「人間は生まれながらにして善である」という性善説を唱え、社会と隔絶された自然の中で、子供自身の興味や欲求に基づいた教育を行う「自然教育」の重要性を説いた。
ルソーは、当時の社会における教育が、子供を大人の縮図として扱い、形式的な知識や技能の詰め込みに偏っていることを批判した。そして、子供にはそれぞれ固有の成長段階と発達段階があり、自然の秩序に従って段階的に成長していくべきだと主張した。
「エミール」は架空の少年エミールを主人公とし、幼児期から青年期までの教育過程を、自然の中での体験や観察を通して具体的に描き出した。ルソーは、教師は子供の興味や関心を引き出し、自発的な活動を促す役割を担うべきだと考え、体を使った遊びや自然観察、感覚訓練などを重視した。
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教育について
ジョン・ロックが1693年に発表した教育論。貴族の子弟の家庭教師としての経験に基づき、良識ある紳士を育てるための具体的な教育方法を提示した。
ロックは、子供は生まれながらにして白紙の状態であり、経験を通して知識や人格が形成されるとする「タブラ・ラサ」説を唱えた。そして、子供の理性や思考力を育むためには、体罰や強制ではなく、習慣づけや環境調整が重要だと考えた。
「教育について」では、健康な身体の育成、徳性の涵養、学問の習得を教育の三つの柱として掲げている。特に、良識や判断力、自制心といった徳性を重視し、具体的な事例や逸話を交えながら、子供への教え方や接し方を詳細に解説した。
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人間の教育
フリードリヒ・フレーベルによって1826年に発表された幼児教育論。子供にはそれぞれ固有の才能や発達の可能性が備わっており、遊びを通して自発的に活動することを通じて、心身ともに調和のとれた人間へと成長していくと説いた。
フレーベルは、子供にとっての遊びは単なる娯楽ではなく、内面の世界を表現し、創造性を育むための重要な活動であると捉えた。そして、子供が自発的に遊びに熱中できる環境を整え、適切な教具を与えることで、子供の成長を促すことができると考えた。
「人間の教育」では、子供が遊びを通して様々な経験を積み重ねていく過程を「展開」と表現し、幼児期における教育の重要性を強調した。また、フレーベルが考案した積み木などの「恩物(gaben)」は、子供の感覚や思考力を刺激し、創造性を育むための教具として、現在でも世界中で広く活用されている。