ペスタロッチのゲルトルートはいかにその子を教えるかの構成
第1の手紙 ゲルトルートの事業の全体とその精神について
この手紙では、教育の重要性と、母親であるゲルトルートがどのように子供たちを教育していくのかについて書かれています。まず、貧困や無知が社会にもたらす悪影響について語り、教育こそがこれらの問題を解決する手段であると主張します。そして、ゲルトルートが子供たちを愛情と忍耐をもって教育し、子供たちの自然な発達を促していく様子が描かれます。
第2の手紙 人間におけるあらゆる学問の基礎としての数
この手紙では、数感覚の重要性と、それを子供たちに教えるための具体的な方法について解説しています。ペスタロッチは、数を理解することは、他のあらゆる学問の基礎となると考えていました。そして、具体的な物を使って数えること、数を分解したり組み合わせたりすること、図形を使って数を視覚化することなど、子供たちが楽しみながら数感覚を身につけるための様々な方法が紹介されています。
第3の手紙 形態
この手紙では、子供の観察力を養い、周囲の世界に対する理解を深めるために、形を認識することの大切さが説かれています。子供たちは、身の回りにある様々な物の形を観察し、それらを比較したり分類したりすることで、形に対する感覚を鋭くしていきます。そして、この手紙では、線や面、立体などの基本的な図形を子供たちに教えるための方法が具体的に示されています。
第4の手紙 言語
この手紙では、言語教育の重要性と、子供たちが自然に言語を習得していく過程について詳しく説明されています。ペスタロッチは、子供たちが周囲の人々の言葉を真似ることから言語を学び始め、徐々に自分の考えや感情を言葉で表現できるようになると考えていました。そして、この手紙では、子供たちが豊かな語彙を身につけ、正しい文法を理解し、自分の考えを明確に表現できるようになるための様々な方法が紹介されています。
第5の手紙 数の計算
この手紙では、第2の手紙で説明された数感覚を土台にして、具体的な計算方法を子供たちに教える段階に進みます。ペスタロッチは、暗記に頼るのではなく、子供たちが計算の意味を理解し、自ら計算方法を発見していくことを重視しました。そして、この手紙では、足し算、引き算、掛け算、割り算といった基本的な計算方法を、具体物や図などを使いながら子供たちに教える方法が具体的に示されています。
第6の手紙 測量
この手紙では、長さ、面積、体積などの量を測定することの重要性と、子供たちが具体的な経験を通して測定の概念を理解していく過程について説明されています。ペスタロッチは、子供たちが実際に物体の長さを測ったり、面積を比較したり、体積を計算したりする経験を通して、測定の概念を自然に理解していくと考えていました。そして、この手紙では、子供たちが日常生活の中で測定の必要性を感じ、楽しみながら測定の技能を身につけるための様々な方法が紹介されています。
第7の手紙 人間関係
この手紙では、人間関係の大切さ、道徳的な価値観、宗教について論じられています。ペスタロッチは、子供たちが周囲の人々との関係の中で、愛情、友情、協力、責任感といった道徳的な価値観を身につけていくことが重要だと考えていました。そして、この手紙では、子供たちが自分自身について深く理解し、他者を尊重し、社会の一員としての責任を自覚していくための教育のあり方が示されています。
第8の手紙 地理と歴史
この手紙では、地理と歴史を学ぶことによって、子供たちが自分たちの住む世界に対する理解を深め、広い視野を育むことができるという考え方が示されています。ペスタロッチは、地理と歴史を学ぶことを通して、子供たちが自分たちの住む地域の自然環境や歴史、文化について理解を深め、さらには、世界各地の様々な文化や歴史に触れることで、多様性への理解を深め、国際的な視野を育むことを期待していました。そして、この手紙では、子供たちが地理や歴史に興味関心を持ち、楽しみながら学んでいくための方法が具体的に紹介されています。