ペインのコモン・センスの思想的背景
18世紀啓蒙主義の思想の影響
トマス・ペインの『コモン・センス』は、18世紀啓蒙主義思想の影響を強く受けています。啓蒙主義は、理性、経験主義、個人主義、自然権といった概念を重視する思想運動でした。
ジョン・ロックの思想
特に、ペインはイギリスの哲学者ジョン・ロックの思想から大きな影響を受けています。ロックは『統治二論』の中で、人間は生まれながらにして自由と平等を有しており、生命、自由、財産といった自然権を持っていると主張しました。また、政府は被治者の同意に基づいて設立されるべきであり、もし政府が被治者の権利を侵害するような場合には、人民は抵抗する権利を持つとしました。ペインはロックのこれらの思想を継承し、『コモン・センス』の中で、イギリス国王による植民地支配の不当性を批判し、アメリカ独立の正当性を訴えました。
共和主義の影響
ペインはまた、古代ギリシャ・ローマの共和主義思想からも影響を受けていました。共和主義は、市民の政治参加と公共の福祉を重視する思想であり、君主制を否定し、共和制を理想的な政治体制としていました。ペインは『コモン・センス』の中で、世襲による君主制を批判し、アメリカが共和制を採用することの重要性を訴えました。