## ペインのコモン・センスが扱う社会問題
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イギリスによる植民地支配の不当性
ペインは、巨大な大陸であるアメリカが、小さな島国であるイギリスに支配されている現状を不自然だと主張します。地理的な観点からも、自然の摂理からも、アメリカはイギリスの植民地であるべき理由はなく、むしろイギリスとの関係によって経済的にも政治的にも不利益を被っていると説きます。貿易の制限や、本国議会での代表不在など具体的な例を挙げることで、イギリスの植民地支配がアメリカの自由と発展を阻害していることを訴えました。
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君主制の否定と共和制の支持
ペインは、生まれながらにして特権を持つ君主の存在を否定し、人民が自らの手で政府を選び、統治する共和制の必要性を訴えます。彼は聖書を引用しながら、君主制は神意に反するものであり、歴史的に見ても腐敗と圧政をもたらしてきたと主張しました。そして、人民が自ら代表を選び、政治に参加することで、より公正で自由な社会を実現できると説きます。
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独立戦争の必要性と新しい国家の建設
ペインは、イギリスからの独立がアメリカにとって唯一の道であると主張し、独立戦争を正当化します。彼はイギリスとの和解はもはや不可能であり、独立を果たすことで真の自由と繁栄を手に入れることができると説きます。そして、独立後のアメリカの姿として、自由と平等を基礎とした新しい国家の建設を呼びかけます。それは、ヨーロッパの旧体制から脱却し、人類にとって新たな希望となるような国家の建設でした。