ベーベルの婦人論を読んだ後に読むべき本
エンゲルス「家族・私有財産・国家の起源」
ベーベルの「婦人論」は、女性の抑圧が歴史的にどのように構築されてきたか、そしてそれが資本主義社会においてどのように現れているのかを鋭く分析した画期的な書です。 しかし、ベーベルは分析の多くをエンゲルスの研究に基づいて展開しており、その深淵を覗き込むためには、エンゲルスの「家族・私有財産・国家の起源」を手に取ることが不可欠です。
エンゲルスは、本書の中で、家族、私有財産、国家という一見自然な制度が、実際には歴史的な産物であり、原始共産制社会から階級社会への移行に伴って出現したものであることを明らかにします。 特に、女性の地位が、母系制社会から父系制社会への転換、そして私有財産の発生と継承の必要性と密接に結びついて低下していった過程を詳細に分析しています。
ベーベルが「婦人論」で女性の解放の鍵として指摘した、経済的自立、社会参加の拡大、家族形態の変革などは、エンゲルスの歴史分析を踏まえることで、より深い理解を得ることができます。 エンゲルスは、資本主義社会における女性の抑圧は、資本主義生産様式と不可分に結びついており、真の解放のためには、社会主義革命による根本的な社会変革が必要であると主張しました。
「家族・私有財産・国家の起源」を読むことで、ベーベルの「婦人論」で展開された議論の根底にある歴史観と社会観を理解し、女性の抑圧に対するより深い洞察を得ることができるでしょう。 また、ベーベルが提起した女性の解放に向けた課題が、現代社会においてもなお重要な意味を持つことを再確認し、今後の社会変革への道を考えるための重要な視点を提供してくれるでしょう。