## ベーベルの婦人論の思考の枠組み
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個人主義と自由主義
ベーベルは、あらゆる個人は生まれながらにして平等であり、それぞれが自身の能力を最大限に発揮する自由を持つべきだとする、
個人主義と自由主義の立場から婦人問題を論じています。彼は、女性が男性に比べて政治的、経済的、社会的に
劣った立場に置かれているのは、生まれつきの能力の差ではなく、社会制度や慣習によるものだと考えました。
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歴史的唯物論
ベーベルはマルクスの影響を受け、歴史的唯物論の立場から、
社会の進歩は物質的な生産様式とそれに伴う階級闘争によって規定されると考えました。彼は、
資本主義社会においては、資本家階級と労働者階級の対立が支配的であり、
女性は労働者階級と同様に搾取の対象となっていると主張しました。
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女性の経済的自立
ベーベルは、女性の解放のためには、
経済的自立が不可欠であると考えました。彼は、女性が男性と同様に賃労働に従事し、
経済的な独立を獲得することで、男性との不平等な関係から脱却できると主張しました。
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家族と結婚の変革
ベーベルは、当時の家族制度が男性優位の不平等なものであると批判し、
その変革を訴えました。彼は、家事労働の社会化や育児の共同化によって、
女性が家庭の束縛から解放され、社会進出が可能になると考えました。また、
恋愛と経済的打算に基づかない自由な結婚を主張しました。
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政治的権利の獲得
ベーベルは、女性の解放運動にとって、
参政権などの政治的権利の獲得が重要であると考えました。彼は、
女性が政治に参加することで、自らの権利を主張し、
社会を変革していくことができると信じていました。