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ベーコンの新機関の発想

ベーコンの新機関の発想

「イドラ」とは何か?

フランシス・ベーコンは、人間が真理を認識するにあたって生じる誤謬(ごびゅう)を「イドラ」と呼び、以下の4つに分類しました。

* **種族のイドラ**: 人間という種族に共通する感覚器官や思考様式の制約によって生じる誤謬。
* **洞窟のイドラ**: 個人の経験、知識、偏見などによって生じる誤謬。
* **市場のイドラ**: 言葉の不完全さや曖昧性によって生じる誤謬。
* **劇場のイドラ**: 過去の哲学や権威、伝統などによって盲目的に受け入れてしまう誤謬。

「新機関」とは何か?

ベーコンは、これらのイドラによる誤謬を克服し、真理に到達するためには、従来の哲学や学問の方法を刷新する必要があると考えました。そのために彼が提唱したのが「新機関」です。

新機関は、観察、実験、帰納法を重視した、新しい知識探求の枠組みです。ベーコンは、感覚経験に基づいた確実な事実から出発し、段階的な帰納法によって、より一般的な法則や原理へと進んでいくべきだと主張しました。

「新機関」における帰納法の役割

ベーコンは、アリストテレスの演繹法とは異なる、新しい帰納法を提唱しました。彼の帰納法は、単なる事例の積み重ねではなく、「肯定的な事例」だけでなく「否定的な事例」、そして「程度の違いを示す事例」を体系的に収集し、分析することを重視しています。

「新機関」の限界

ベーコンは「新機関」の中で具体的な方法論や手順を示すことはできませんでした。また、彼の帰納法も、現代の科学的方法論から見ると、完全なものとは言えません。

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