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ベーコンのノヴム・オルガヌムの技法

## ベーコンのノヴム・オルガヌムの技法

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帰納法

ベーコンは、アリストテレスの演繹法とは異なる、帰納法を中心とした新しい科学的方法を提唱しました。彼は、感覚経験に基づいた個々の事例の観察から出発し、徐々に一般的な法則へと導く方法を重視しました。

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イドラ(idola)の排除

ベーコンは、人間が先天的に持ち合わせている、あるいは後天的に身につけてしまう偏見や先入観を「イドラ」と呼び、これが正しい認識の妨げになると考えました。彼は、以下の4種類のイドラを挙げ、科学的な探求においては、これらのイドラを排除することが重要であると説きました。

* **種族のイドラ(Idola Tribus)**: 人間の本性に由来するイドラ。
* **洞窟のイドラ(Idola Specus)**: 個人の経験や知識、嗜好などに由来するイドラ。
* **市場のイドラ(Idola Fori)**: 言語の不完全さや誤用から生じるイドラ。
* **劇場のイドラ(Idola Theatri)**: 過去の哲学や学説などの誤った権威に由来するイドラ。

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三表法(Three Tables)

ベーコンは、帰納的な方法で自然を探求するために、「三表法」と呼ばれる方法を提唱しました。

* **存在と出現の表(Table of Presence)**: ある現象が現れる事例を可能な限り多く集め、そこに共通して存在する要素を抽出します。
* **偏差または不在の表(Table of Absence in Proximity)**: 対象となる現象が現れない事例を、存在の表で集めた事例と類似した状況から収集し、そこに共通して存在しない要素を抽出します。
* **比較の表(Table of Degrees or Comparison)**: 対象となる現象が現れる事例を、その程度が異なる順に並べ、それぞれの事例において、ある要素の増減と現象の増減との間に相関関係が見られるかどうかを調べます。

これらの三表を用いることで、対象となる現象の原因や本質について、より確実な結論を導き出すことができるとベーコンは考えました。

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