ベーコンのノヴム・オルガヌムの企画書
企画タイトル
ノヴム・オルガヌム
執筆の背景と目的
16世紀後半、西洋社会は大きな転換期を迎えていました。宗教改革による社会の変動、大航海時代による地理的発見、そしてルネサンス期のヒューマニズムの影響など、従来の価値観や世界観が大きく揺さぶられていました。こうした時代の変化の中、学問の世界においても、古代ギリシャ以来のアリストテレス哲学に基づくスコラ哲学の権威が相対化され、新たな知を求める気運が高まっていました。
本書の内容
本書は、従来の学問、特にスコラ哲学の論理偏重の学問方法を批判し、観察と実験に基づく新しい科学的方法論を提唱するものです。
本書の構成（予定）
本書は、大きく分けて二つの部分から構成されます。
第一部は、「イドラ論」と呼ばれる、人間の認識を妨げる誤謬の原因についての考察にあてられます。人間の偏見や先入観を「イドラ」と呼び、その種類や特徴を詳細に分析することで、真実に到達することを阻む要因を明らかにします。
第二部は、新しい科学的方法の具体的な手順について論じます。帰納法と呼ばれる、個々の観察や実験の結果から一般的な法則を導き出す論理を体系的に説明し、自然界の真理を探求するための方法論を提示します。
本書の意義
本書は、近代科学の誕生を告げる記念碑的な著作となる可能性を秘めています。新しい科学的方法論を提示することで、自然科学の発展に大きく貢献するだけでなく、ひいては人類の知性と文明の進歩に計り知れない影響を与えることが期待されます。